日本の音楽、高くない?

僕がオフィシャルサイトで楽曲配信をはじめた背景について、前回お話したような動機の他にもうひとつ、ここ何年かの間ずっと抱いていた、今の日本の音楽シーンに対する疑問や不満への回答を自分で提示したかったという、言ってみれば反骨精神のような一面もある。

ことに最近、業界に身を置く人たちは口々に「CDが売れないCDが売れない」と、まるで挨拶代わりのようにぼやき続けているのを耳にするけれど、「そりゃあ、今のような状況で音楽がたくさん売れたら奇跡だろうよ」などと密かに心の中で呟いていたりする。
そうやって物事を批判するのは簡単だけれど、「それじゃあ、いったいどうすればよいのか」という提案を示さなければ、単なる無責任な愚痴で終わってしまう。
でもそれに対する僕なりの答えを用意した今、これまでずっと溜め込んでいた、音楽を売ることについての「何故」を、ここらでちょっとぶちまけても罰は当たるまい。(笑)

まず、だいたいからして日本の音楽パッケージは高すぎる。
何せCDのアルバムが¥2,500くらいから、高いものになると¥3,000近くもする。シングルだとだいたい¥1,000弱だ。
一方、米国ではアルバムはだいたい$10(=¥800くらい)、シングルは高くても$2(=¥160くらい)だから、まあ単純に計算してもその価格差は3倍以上。
これは何も邦楽に限った話ではなくて、洋楽の日本盤も同じ値段なのだから、これでよく消費者から文句が出ないものである。
アルバムが¥3,000という価格設定は、まだ為替レートが$1=¥360で、音楽メディアもアナログのLP盤だった1970年当時から変わっておらず、$1=¥80くらいの2012年の現代においても、どういうわけだか健在だ。
そもそもモノの値段というのは、需要と供給のバランスで成り立つのが市場経済の大前提であって、再販制度の上にあぐらをかいているような今のメジャーのレコード会社の現状は、決して音楽文化の発展に寄与しているとは言い難い。

音楽というものは本や映画などと違って、「一度楽しんでおしまい」ではなくて、何度も何度も繰り返し耳にしているうちにだんだんと好きになって、最終的にそのアーティストのファンになって、ライブに足を運んだり、パッケージを手に入れたくなるような種類の娯楽だと思う。
そうであれば、聴いてもらうことに対してのハードルは、できるだけ取り除いてやらないといけない。
例えば価格を1/3にした結果売上部数が3倍以上になるとしたら、それは何も悪いことはないはずだし、むしろその分音楽ファンが増えるというものじゃないかと思うものの、なかなか世の中、そういう風に事は動いてはくれない。
既存のコアな音楽ファンは多少値段が高かろうが、熱心に好きなアーティストのCDを買い続けてくれるかもしれないけれど、今のままでは新たな音楽ファンを育てることなど到底できまい。

そういう現状を少しでも変えていけるようなテストケースとして、今回始めた楽曲配信が単に自分の楽曲を世に知らしめるだけでなく、この国の音楽シーン全体にとって貢献できることがわずかばかりでもあれば嬉しいな、などと大それたことを考えつつ、また日を改めて「無料全曲配信とダウンロード販売」について掘り下げていきたいな、と思う。

最後に今日は、これまでとちょっと違うウィジェットを貼り付けてみる。

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