メトロノームから開放されよう

新年最初のLogicネタ、あまりご興味のない方にはごめんなさい。

DAWやシーケンサーを使って曲作りをしていると、どうしてもジャストなリズムに縛られた演奏になりがちだ。もちろん一定のテンポをキープした演奏というのはアンサンブルの基本だし、ひとりで練習するときにメトロノームを使ってリズム感を養うのは有益だけれど、やはりレコーディングやMIDIの打ち込みにも正確無比なパルスに縛られない人間的な揺らぎを取り入れたいことがあるし、ところどころにルバートなどを加えればとても表情豊かな演奏になる。さらにはクラシックや純邦楽など、もとよりそうしたジャストなリズムだけでは括れないジャンルの音楽もたくさんある。

Logic Proには「ビートマッピング」という機能があって、これを使えば簡単に「テンポが常に一定ではない演奏」に自動的にテンポイベントを追加して、小節や拍の頭を画面上のそれらに揃えることができる。
こうしておけばLogic Proのメトロノームが元の演奏に合うようになるので追加でトラックを足すのが簡単になるし、クオンタイズでリズムのヨレを直したり、Apple Loopsなどの素材を加えたりといった、さらなる編集を加えることができるようになる。
手順としてはまずメトロノームなしで演奏をオーディオかMIDIでレコーディングする。レコーディング中のメトロノームをオフにするには、画面下部のトランスポートの右側にある”Click”ボタン(メトロノームアイコンのボタン)をホールドし、出てきたメニューから”Click While Recording”のチェックを外す。
click.png
さて、ここでアレンジウィンドウの一番上にある”Global Track”と書かれた部分の三角印をクリックしてグローバルトラックを開く。(キーコマンド”G”でも可)
global.png
既定では”Beat Mapping”が表示されていないので、グローバルトラックのヘッダーのどこかでcontrolを押しながらクリックし、出てくるメニューから”Beat Mapping”にチェックを入れる。
enable_beatmapping.png
次に、先ほどレコーディングしたリージョンを選択すると、ビートマッピングのレーンに選択したリージョンのコンテンツが重なって表示されるようになる。レコーディングしたリージョンがMIDIデータの場合はこれですぐに作業にかかることができるけれど、リージョンがオーディオの場合は一手間挟むことになる。MIDIデータのように拍の頭などをきちんとLogic側で認識できるように、演奏中リズム的に突出したポイントにトランジェントという印を付ける作業が必要で、これを行うにはグローバルトラック上の”Detect”ボタンをクリックする。
detect.png
これで準備完了。手始めに、拍の最初の部分を小節の頭に合うようにリージョンを移動すると作業がやりやすくなる。オーディオリージョンの場合は、グローバルトラックのレーンのどこかをcontrolを押しながらクリックすると出てくるメニューから”Move Selection with First Transient to Nearest Beat”を選択すればお手軽だ。
move.png
あとはひたすら、グローバルトラックの上半分にある小節や拍、ディビジョンの目盛りをクリックして、下半分の合わせたいトランジェントやMIDIノートにドラッグしていけば、自動的にテンポイベントが追加されて、演奏の内容を全く変えずに小節や拍の頭を演奏に合うよう調整してくれる。
match.png
オーディオのアタックが弱い場合など、うまくトランジェントが表示されない場合は、左側の”+”/”-“ボタンで表示させるトランジェントの調整できるし、またドラッグ中にcontrolを押すとトランジェントやMIDIノートのない部分にもディビジョン単位で、またcontrolとshiftの同時押しでティック単位の任意の位置にタイミングを合わせることもできる。
こうして、ひとたびリージョン全体を通してビートマッピングの作業を終えたら、そのあとは冒頭で述べたようにトラックを足したりMIDIデータを譜面に起こしたり、色々な作業がストレスなく行えるようになる。
done.png
ちなみにMIDIリージョンの場合には、ピアノロールやスコアの画面などでもビートマッピングを行える。
この機能、自分が演奏するだけでなく既存の音源の採譜(耳コピー)をする際にもとても便利で、メトロノームに基づかないライブ演奏などのCD音源をリッピングしてオーディオトラックに貼り付けてビートマッピングすれば、小節や拍単位で簡単に頭出しやループができるようになるので、自分も普段から便利に使っております。

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