MainStage、恐るべし

Mac App Storeにて、AppleのMac用DAWのLogic Proとライブパフォーマンス向けソフトであるMainStageがそれぞれ販売開始された。

これらはもともとLogic Studioという名称でパッケージ版としてリリースされていた音楽制作スイートの中核をなすもので、以前のエントリーでも触れた通り、Logic Studioは競合ソフトと比べもともとコストパフォーマンスが高かったけれど、今回のMac App Storeでのダウンロード配信ではLogic Proが¥17,600、MainStageに至っては¥2,600という途方もない低価格攻勢である。
Screen Shot 2011-12-11 at 1.43.38 AM.png
ここで今回クローズアップしたいのがこの「超低価格」になったMainStage。これは簡単に言えばLogic Proからレコーディングや編集といったDAWの中核機能を取り去って、標準搭載のソフトウェア音源やエフェクトプラグインを手早く使えるように最適化されたアプリケーションだ。
元々想定しているライブパフォーマンスでの使用が考慮されて、タイムラグなしでの複数のパッチの切り替えやMIDIキーボードによるレイヤーやスプリット、フィジカルコントローラーへのプラグインパラメーターの割り当てなど、Logic Proでやろうとするとどうしても煩雑になってしまうような動作を簡単にこなせるように考えられている。
Screen Shot 2011-12-11 at 1.44.18 AM.png
MainStageの編集画面。三輪はマスターキーボードのYAMAHA S90のボタンにMainStageの機能を色々と割り当てて、練習などに利用している。
このMainStageの真骨頂は他でもない、Logic Proに付属していてプロのミュージシャンも含め愛用者の多い高機能サンプラーのEXS24や個性的なサウンドが魅力の物理モデリング音源Scluptureをはじめとするソフトウェア音源、EQやダイナミクス系、空間系やモジュレーション系などおおよそ考えられるあらゆる種類のエフェクト、それらのプラグインで即戦力として利用できる4,500以上のプリセットや15,000を超えるループ素材などが丸ごと全部入っているところ。もちろん、WavesNative InstrumentsなどサードパーティのAudio Unitプラグインも利用できる。
Screen Shot 2011-12-11 at 1.33.29 AM.png
ソフトウェアサンプラーのEXS24
Screen Shot 2011-12-11 at 1.36.29 AM.png
ちなみにサンプルコンテンツなど大容量のファイルはAppのダウンロード自体には含まれず、アプリケーション内で別途無料でダウンロードするようになっている。
普通に考えればこれだけのクオリティのプラグインたちは専業のメーカーがUSBドングルのプロテクション付きで1本数万円の値を付けて売っているようなものがほとんどで、そういったものがこれだけ膨大な量付属してたったの¥2,600というのは、これはもうハードウェア本体やOSから抱えているAppleならではの芸当で、ユーザーにとっては素晴らしいことだけれど、決して大きいとは言えない音楽制作ツールの業界全体の生態系にとって長い目で見て良いことなのかどうか、一抹の不安を覚えるところではあるのだけれど。
ともあれこのMainStage、LogicやGarageBandのユーザにとって有用なのはもちろん、実はPro ToolsCubaseなどApple製以外のDAWを使っている人や、さらにはWindows機をメインに音楽制作している人でさえ手元にMacBook Airなどがあればとりあえずインストールしておいて、USB-MIDIインターフェイスを介してメインのDAW機と接続すれば、Macが高品質なシンセやエフェクトプロセッサーに早変わりするし、趣味で音楽演奏を楽しんでいるようなMacユーザーでも、手持ちの電子ピアノなどのUSB端子のついたキーボードやエレクトリックギターなどと一緒に使えばサウンドの幅がぐっと広がって楽しめること請け合いだ。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *