まさに究極の音源モジュール、INTEGRA-7

いつもお世話になっている鍵盤師匠の篠田元一先生のご厚意で、Rolandさんのプレス向け新製品内覧会にお邪魔してきた。

今回の目玉はワークステーションキーボードでもデジタルピアノでもなく、なんと音源モジュール……その名も、SuperNATURAL Sound Module INTEGRA-7
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シンプルかつ精悍なボディの内部に、まさに怪物的な表現力を宿すINTEGRA-7
「PC上のDAW上で動作するソフトウェア音源が全盛のこのご時世に、今さら音源モジュール?」などといぶかしく思われる向きもあるかもしれない。
ところがどっこい、そんなトレンドなど百も承知のうえで、あえて今、ハードウェアとして音源モジュールを世に送り出すということの意義……、それに対するRolandの回答こそが、ここに結実したINTEGRA-7なのである。
正直なところ、当の僕自身も実物を間近で見て音を聴いてみるまで、「往年のJV-1080のソフト音源でも出してくれた方が、制作現場では使いでがあるのでは……」などと失敬なことを考えていたのだけれど、その音、スペック、そして使い方の提案に至るまで実際に間近で接してみて、まさに誇張でも何でもなく、「ああなるほど、この音源に関してハードかソフトか、などという次元で語られることそのものが意味をなさないのだな」と思い知るに至った次第である。
まず肝心かなめの音に関しては、同社のJUPITER-80譲りのBehavior Modeling TechnologyによるSuperNATURALサウンドをなんと16パートのマルチティンバーで搭載(JUPITER-80は4パート)。
その名が示すように、アコースティック楽器の構造や奏法といった「振る舞い」をモデリングし、リアルタイム演算することで、今までの単なるサンプルベースの音源では得られないリアリズムを達成している。
しかも単に音がリアルなだけでなく、レガート奏法や和音弾き、モジュレーションホイールの操作などといったキーボードの奏法によって有機的に音色が変化し、まるで演奏者の意図を汲み取ってくれるかのようなインテリジェンスを持ち合わせている。
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同時に発表された88鍵MIDIキーボード、A-88でINTEGRA-7を操る篠田元一先生
ブログで実際に音をお聴かせできないのが残念なところだけれど、篠田先生のデモ演奏では例えば、ピアニシモからフォルテシモまでタッチの強弱に繊細に反応するピアノ音色、レガート奏法でハンマリング・オンやプリング・オフを、コード弾きでストローク奏法をリアルに再現できるアコースティックギター音色、またウッドベースの音色では弾いた弦がフレットに戻る時の「バチン」という音まで克明に再現されている。
さらにこのINTEGRA-7では、これまでのJUPITER-80にもなかったような新しいSuperNATURAL音色も多数搭載されていて、例えば、テナーサックスではMichael Breckerばりの「フラジオ」と呼ばれる独特の高音の音色が聴けたり、これまでのハード音源では苦手とされていた、比較的小編成でのストリングスアンサンブルや尺八といった音色もリアルに再現されている。
もちろんアコースティック楽器のシミュレーションだけでなく、往年のアナログシンセ系やD-50などのデジタルシンセの代表的な音などもバッチリ網羅されている。
しかもそれだけではなく、このINTEGRA-7は世界の音楽シーンで絶大といって良い支持を集めてきたJV-1080、JV-2080、XV-5080といったRolandの歴代の音源モジュールの正統な後継機種なのである。
これらのシンセの音は、音源モジュールの「標準機」といって良いほど至る所で使われてきたので、きっと皆さんもヒット曲の中でその音色を耳にしたことがあるのではないだろうか。
そのサウンドは、今時のソフトシンセでは「代えが利かない」独自のカラーを持っていて、かくいう自分もいまだJV-2080を現役で使っているのだけれど、すでに生産中止となって久しく、新たに手に入れようとする場合は中古楽器店を探すか、オークションサイトを当たるかする他はない状況になっている。
INTEGRA-7には、これまでのシリーズ最上位機種であるXV-5080の全音色に加え、音色拡張ボードのSRXシリーズが全種類搭載されており、まさに集大成的なものとなっている。上記のSuperNATURAL音源を含め、その総音色数は圧巻の6,000音色以上。到底全部を把握しきれないボリュームである。
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篠田先生は、初期段階からINTEGRA-7の開発に携わられている
そしてさらに驚くのが、16パートすべてに、それぞれ違ったマルチエフェクトをインサートでかけられる点。
これまでのハード音源ではマルチエフェクタが1〜3系統、というのがせいぜいだったから、16マルチティンバーといっても実際の制作ではそれらをいっぺんに鳴らすことはあまりなくて、1パートずつ録音していって音を重ねる、といった使い方がほとんどだったことと思う。
それが、このINTEGRA-7ではとりあえずパートを重ねて、同時発音数が許す限りシーケンスを走らせることができるから、制作の初期段階でのスケッチに活躍できること間違いなし。
しかも音が良いものだから、ラフスケッチのつもりで入れていたトラックが、そのままOKテイクになってしまう、なんてことも十分に考えられる。
さて、その圧倒的な内